作 品 紹 介

こんなはずじゃなかった。

クラウド・ファウンドの成功により完成した本作は、モントリオール世界映画祭で多くの観客が涙し、カナダ領事館の後援も受け、現地でアンコール上映を果たし話題となった。

売れない落語家を中心に、すれ違う思いや人生のやるせなさを、昭和のよき時代の映画を彷彿とさせる丹念なタッチで描いた、笑いと涙の感動作。
愛する人を傷付けながら「こんなはずじゃなかった」と、自分に言い訳を重ねて逃げまどう大人たち。行き場を失った果てに、人は希望を見いだすことが出来るのだろうか?

落語の世界に登場する、しょうもないけど愛すべき庶民の生き様に、現代を生きる私たちの孤独が重なる時、この映画はクライマックスを迎える。
モントリオール映画祭で衝撃のラストが大きな反響を呼んだ、涙なしには語れない、珠玉のヒューマン・ドラマがここに誕生した。

ス ト ー リ ー

「言い訳ばっかりだな、お前は!」

うだつの上がらない噺家の三語郎と、取り戻せない過去に生きる真海の、愛と葛藤を描いた群像劇。

三語郎は酒に逃げ女に逃げ、稼ぎもなく、落語と向き合えない自堕落な日々を送る。
恋人の真海はささやかな幸せを願い孤軍奮闘するが、想いも虚しくお互いの気持ちはすれ違うばかり。そんな二人はわだかまりを抱えたまま、未だ結婚に踏み切れていない。

点雲師匠は弟子の三語郎にしっかりしてほしい一心で「正面を切れ!」と叱咤するが、三語郎は師匠の思いを分かっていながら、逃げて逃げて逃げまくった挙句、無邪気な弟分の小万亀の彼女である砂織に手を出してしまう始末。
だが、心に暗い闇をもった砂織の本性に三語郎は翻弄され、いよいよ泥沼にはまってしまう。

そんなある日、苛々の募った三語郎はカッとなって、真海の心を引き裂いてしまう。
哀しみで我を失った真海は、忽然と三語郎の前から姿を消してしまう。
三語郎は真海を失って初めて、彼女の存在のかけがえのなさに気付いて打ちのめされ、覚悟を決めて彼女の故郷へと向かう。
そして三語郎は、神話の海辺で、初めて真海の秘められた過去を知ることになる。

三語郎は、ふたたび真海の愛を取り戻すことができるのか。
真海は、自らの過去を捨て愛を手にすることができるのか。
人生という名の無常が、二人の間に容赦なく横たわる。

落 語 と 神 楽

落語の神様“古今亭志ん生”が愛した人情噺「替り目」

酒に溺れた人の哀しみを、入船亭扇遊が鈴本演芸場で魅せる。

五代目志ん生が改作し、究極の人情噺に練り上げた「替り目」。
志ん生は元々あった物語の後半を大胆にカットし、女房がおでんを買いに出払った後、亭主が酔いに任せて「こんなダメな俺に付いてきてくれるのは、あいつぐらいなもんだ。いつもは口悪く言ってるけど、心の中じゃ有難え有難えと手を合わせているんだ」と懺悔したところを、ばっちり妻に見られてしまう…という下げに変えた。
微笑ましくも深みのある夫婦の掛け合いはたいへんな人気を博し、今や定番の人情噺として広く愛されるようになった。

劇中、入船亭扇遊がぶつ「替り目」は本作のハイライトであり、息を飲む名人芸で、観る者を落語の世界へと一気に引き込む。
江戸安政四年より続く歴史ある鈴本演芸場に、落語の神様が舞い降りる奇跡の瞬間を、余すところなく映像に焼き付けた。


神話の海に、伝説の神が舞い降りる

宮崎県新富町に伝わる「新田神楽」、初めての映画撮影を実現。

新田神楽は、神話の国・宮崎県新富町の新田神社に伝わる民族芸能で、新富町指定無形文化財に指定されている。地元の方々と神楽保存会の皆様の努力に支えられ、古代の理(ことわり)を保ったままの純粋な伝承が、今も脈々と息づいている。

神楽は三十三番あり、夜明けから丸一日かけて舞われる。
その中でも最高の盛り上がりを見せるのが「八岐大蛇」伝説に基づいた、『蛇切(じゃきり)』。これは、本物の刀を振るう勇壮な舞で、大蛇と見立てた極太の荒縄を真っ二つに一刀両断するという、正に渾身の神楽である。
スクリーンを揺らす圧巻の『蛇切』の場面は、本映画のもう一つの見せ場を彩る。

キ ャ ス ト

友部康志(ともべやすし)/仙栄亭 三語郎

J.CLIP所属。大らかな個性を活かした役柄で、ドラマやCMなど多数出演。
1997年、劇作家つかこうへい氏主宰「北区つかこうへい劇団」に入団。
2005年、同劇団を退団。
出演/映画「CUT」「星になった少年」、ドラマ「相棒」「アルジャーノンに花束を」、CM「日清食品 太麺堂々」「明星食品 一平ちゃん」他多数。

村上 真希 (むらかみ まき)/宮 真海

祖父、父、叔父が画家という一家に生まれ、幼い頃より芸術の世界に親しむ。
19歳でスカウトされ、モデルとして活動を開始。豊かな演技力で、主演作を数多く射止める。
“職人” “手しごと”を愛する《伝統産業女優》としても活躍。
主演映画/「シーソー seesaw」「すず」「恋の手本」「ちぎれん雲」他多数。

入船亭 扇遊 (いりふねてい せんゆう)/仙栄亭 点雲

(社)落語協会所属。『落語家から今最も尊敬をあつめる落語家』として、その圧倒的な表現力で、名実共に落語界の本寸法。
寄席で師匠の芸に惚れこんだ監督が、本作への出演を直談判。初の映画出演を果たす。映画祭でも、その鬼気迫る演技が絶賛された。
1972年、九代目入船亭扇橋に入門。前座名は扇ぽう。
1983年、NHK新人落語コンクール優秀賞受賞。
1985年、真打昇進。扇遊を襲名。
1992年、文化庁芸術祭賞受賞。


大竹 佳那 (おおたけ かな)/砂織

新進気鋭の女優。繊細な感性で、様々な難しい役柄をきめ細やかに演じる。
母親が女優という過去があり、幼い頃より本格的に女優を目指してきた実力派。
出演/CMマツモトキヨシ「あなたの心」、ショートムービー「あなたの書き込みは世界中から見られてる」(主演)、映像舞台「君が流出する」他多数。

秋山 勇次 (あきやま ゆうじ)/仙栄亭 小万亀

若手ながら、豊富な現場経験を持つ。
高校一年生の時、「ふじのキッズシアター」にて俳優活動を開始。10代で劇団「Don’t Mind」を旗揚げし、座長として脚本・演出を務め上げた。
出演/映画「藍色少年少女」「狐独」、Music Video渡辺美優紀「やさしくするよりキスをして」ソナーポケット「最終電車〜missing you〜」他多数。

吉田 智則 (よしだ とものり)/仙栄亭 清蔵

バウスプリット株式会社所属。映画、TV、舞台など多方面で活躍する実力派俳優。
北区つかこうへい劇団の二期生として入団。才気溢れる演技力で、数々の大役を射止める。
つかこうへい氏作・演出の舞台「熱海殺人事件~売春捜査官」で大山金太郎役、舞台「ロマンス」にて主役/花村牛松を務めた。

代田 正彦 (しろた まさひこ)/宮 善次

北区AKT STAGE、(有)レトル所属。1997年より、つかこうへい作品に多数参加。
舞台「蒲田行進曲」「ロマンス」「つか版お笑い忠臣蔵」他、青年団、タテヨコ企画、FUKAIPRODUCE羽衣など、たくさんの演出家からラブコールを受ける個性派俳優。

緒方 利幸 (おがた としゆき)/宮 善一

新富町指定無形文化財「新田神楽」保存会の副怜人長を務める、神楽舞の名手。
新田神楽の継承を通じて、地域の子どもたちの教育を手助けしている。
劇中で披露される「蛇切(じゃきり)」の舞は、緒方氏本人による実演である。

椎井 蘭 (しい らん)/幼少期の真海

ロケ地宮崎でオーディションを行い、女優としての輝きを監督が見い出す。
初めての映画出演ながら、透明感あふれる存在感を映像に焼き付けた。
本作をきっかけに、芸名「しいのみ亭らんらん」として落語にも挑戦している。


時津 真人 (ときつ まさと)

北区AKT STAGE所属。2006年、北区つかこうへい劇団に入団。
映画「イッツ・ア・ニューディ」出演、舞台「飛龍伝 2014」では主演を務める。

もりの めぐみ

文学座附属演劇研究所50期卒業。
映画「RETURN」「イン・ザ・ヒーロー」「百円の恋」「駆込み女と駆出し男」など多数出演。

五十嵐 和弘 (いがらし かずひろ)

エンターテインメント風集団「秘密兵器」のリーダー。
映画「冷静と情熱のあいだ」、ドラマ「世にも奇妙な物語」出演。

市原 叶晤 (いちはら きょうご)

数々のインディペンデント映画に出演。
若手監督から厚い信頼を受けている。

ス タ ッ フ

イノトモ/主題歌「イトナミ」

日本を代表するアコースティック系シンガーソングライター。
1998年、「溶けてゆく午後」でメジャーデビュー。やさしい歌声と透明感あふれるメロディで、多くのファンを魅了する。
NHK「みんなのうた」やCM「サントリー ビタミンウォーター」「三菱電機 三菱オール電化」など、これまでに数多くの楽曲を提供する。
くるり、ハナレグミ、BEGIN、菅野よう子への音楽制作の参加、坂本龍一監修「にほんのうた第四集」、鈴木惣一郎プロデュース「Apple of Her Eye りんごの子守唄」…など、ジャンルを超えて幅広く活躍。
主題歌「イトナミ」は、本作のために書き下ろされた新曲である。

イノトモ Official Website

織田 祐亮 (おりた ゆうすけ)/音楽

愛知県立芸術大学卒業。トランペット、バルブトロンボーン、メロフォン奏者として、数多くのライブや録音に参加。また作編曲家として、TVやCMの音楽を多岐に渡り手がける。
クラシック音楽を学ぶのと同時に、ジャズ理論を独学し、2006年「TRI4TH」を結成。
卓越した音楽性がプロデューサー須永辰緒氏に認められ、“夜ジャズ”のレギュラーアクトを務める等、日本ジャズ界を牽引する存在になる。
三谷幸喜脚本のミュージカル「TALK LIKE THINGING」のニューヨーク&日本公演にて、同バンドで出演を果たす。今、最も勢いのある音楽家の一人である。

TRI4TH Official Website


脚本/壱岐紀仁
プロデューサー/石川学
撮影/壱岐紀仁、白川祐介
録音/黄永昌
助監督/向悠一、島田かおり
ヘアメイク/八巻明子、寺田英美
編集/壱岐紀仁
落語・所作指導/柳家さん枝、橘家圓十郎、柳家三語楼
スーパーバイザー/中野達仁
音楽/織田祐亮
主題歌「イトナミ」/イノトモ

協賛/
霧島酒造株式会社
宮崎料理 新宿&銀座 みやこんじょ

協力/
鈴本演芸場
宮崎県新富町観光協会
新田神楽保存会

監 督

壱岐 紀仁 (いき のりひと)/監督

1980年、宮崎県生。ディレクター、カメラマン。
武蔵野美術大学映像学科卒、多摩美術大学修士課程修了。
(株)東北新社 CM演出部に入社、2007年同社を退社後、写真家として活動を開始。
民俗学者/宮本常一の思想に影響を受け、アジアを中心にフィールドワークを重ねながら、神話伝承を再構築した独自の幻想世界を次々に発表。国内外の映画祭やアート・コンペティションで高い評価を受ける。
瀬々敬久監督作品「へヴンズ・ストーリー」にスタッフとして参加後、映画制作を志す。
初の監督作となる映画「ねぼけ」が、モントリオール世界映画祭に正式出品。
現在、長編第二作を構想中。

Norihito Iki Works In Bechance

【 受賞暦 】
アミューズ・アートジャム/グランプリ
アジアン・デザインコンペティション/準グランプリ
TAGBOAT Next GenerationS/グランプリ
Art Line DAEGU/グランプリ
東京アートコンペティション/審査員特別賞
TOKYO FRONT LINE/審査員特別賞
バンクーバー国際映画祭 (短編映像)
釜山国際映画祭 (短編映像)
モントリオール世界映画祭 (First Films World Competition部門)
越後妻有アート・トリエンナーレ
南九州の現代作家展
The Compact-Impact Exhibition (N.Y.C.)
SCOPE New York (N.Y.C.)
H2O project (Paris, France)

監督が映画にかけた思い

たかが人、されど人。

『落語』は、目の前でそう語る。
『信仰』は、夢の中でそう語る。

映画「ねぼけ」は、日本の伝統『落語』に生きる噺家/三語郎と、神話の国・宮崎に伝わる古い『信仰』に生きる女性/真海の、二人の愛と葛藤を描きます。
『落語』と『信仰』…この2つを取り上げたのは、それらが内包する長く深い歴史の中で、同時代を生きる刹那的な価値観に捉われないような、人間を肯定する大らかな物語を紡ぐためです。

2010年代に入り、私たちの住む社会は、加速度的に緊張と不安を抱え込むようになりました。
甘やかな答えを直ぐに欲する思考が日常となり、自分の見栄えの良い断片だけを世間に見せようとする余り、他者と関わることに異様に過敏なってしまう感覚は、恐らく誰しもが覚えがあることだと思います。
それは逆説的に、他者の“ダメさ”も含めた全体、人のありのままの本質を赦さない感受性を、知らず知らずの内に作り上げます。この透明で残酷な振る舞いは、跳ね返って自らの心をも容赦なく傷付けてしまいます。
心の中に、諸刃の剣を振りかざしている危険な状態…これは殆ど、鬱の症状です。
つまり、お互いを、自分自身を受け入れることが、より一層困難な時代になってきたのだと感じています。

『落語』も『信仰』も、共に人の“ダメさ”に対する寛容があります。
『落語』に登場する庶民は、色恋に狂ったり、手ひどく騙されたり、酒や博打に溺れたり、“ダメな”人たちばかりです。その活き活きとした姿に、観客は自らの“ダメさ”を重ね合わせ、自らを赦すことができます。
『信仰』は、神という究極の赦しを与えてくれる存在がいてくれて、“ダメ”だっていいじゃない、それが嘘偽り無いアナタなんだから、私(神)はそれを赦し認めるから安心して生きなさい、という夢を見せてくれます。
その夢が案外、実感としての愛だったりします。

『落語』も『信仰』も、人という生き物は全く立派でない、しょうもないもんだ、という前提から出発しているから、人に対して“こうあるべきだ”という画一した答えを求めません。曖昧なところが、実に多いのです。
この白黒つけない曖昧さは、人の多様性を認めていくための、洗練された叡智ともいえます。そういう営みは、人に居場所を作り、人を癒す根源的な力を宿しているものです。

“ダメさ”は、現実の問題を何一つ解決しません。しかし、人が人であるために、自分が自分であるために、“ダメさ”を根気強く認め続けていかなくてはなりません。それは、この映画における、一つの大事な使命だと考えています。
その“ダメさ”のために、いらぬ争いや殺し合いがウンザリするほど起きてきました。同時に、この“ダメさ”のお陰で、思わぬところでたくさんの男と女が出逢い、思わぬところでたくさんの子どもたちが生まれ、私自身も、今これを読んでく頂いている皆さん御自身も、何かの偶然で生まれてくることが出来ました。

人間の奇妙さ、不思議さ、やり切れなさ、愛しさを、今一度改めて正面から見据えることで、失われようとしている人間性の在り様を問いかけるべく、また人の“ダメさ”を全身全霊で肯定するべく、映画「ねぼけ」は生まれてきました。
悲劇も喜劇も、笑いも涙も、全てが等しく自分の胸の内に息づいています。その小さな小さな息づかいに、どうか耳を傾けてみて下さい。

たかが人、されど人。

監督/壱岐紀仁

コ メ ン ト

角田光代 (作家)

何かと真剣に向き合うことは、こんなにもむずかしい。
だれかと本気で向き合うことは、こんなにも苦しい。
だからがんばれ、とはけっして言わない映画です。
それが新鮮でした。

松尾貴史 (俳優)

ほとんど知らない役者たちが丁寧な演技でリアリティを生みだしている。
期待していたが、それ以上の良品。
駄目な噺家の自堕落ぶりには感動すら覚え、師匠、同棲相手の抑制された精緻な表現も出色。
これは見逃すと後悔します。

古今亭菊之丞 (落語家)

人間の幸せは、実は自分のすぐそばに存在している。
でも普段は見えないもの。
それを我々に気づかせてくれるのがこの映画だ。
芝浜やたちきりの様にせつなくもあたたかい。

柳家三三 (落語家)

ゆだねる映画…。
観る人の数だけ受け取り方、感じ方、そして物語の世界が生まれてきます。
余白をとても大事にする、これこそ落語に通じる感性じゃありませんか?

桃月庵白酒 (落語家)

もがき苦しむ三語郎が、滑稽で、腹立たしくて、もの悲しくて。
でも簡単に手を差し出さず、ちょっと離れたところから見守っている、
そんな優しい映画です。

春風亭一之輔 (落語家)

三語郎は落語を好きでいることに甘えてる。
それじゃいけないことはよくわかってる。
でも甘える。
落語はそれを許してくれている…ような気もするけど本当はどうかな?
落語はこわい。だから私も好きなんだ。
落語も噺家もタチが悪い。

古今亭志ん陽 (落語家)

噺家は皆、少なからず心の中に三語郎を持っています。甘え、逃げ、酒、etc…。
それらに溺れるか、芸の肥やしにするか、その『替り目』が一番難しい。
溺れそうになった時に救ってくれる、師匠や愛する人の優しさに胸打たれました。
主人公が自分に重なり過ぎて怖い…。噺家人生の『替り目』にしたい作品です。

瀬々敬久 (映画監督)

容貌魁偉とも怪異ともいえる主人公の落語家を見続けていると、これは異界から訪れた稀人の物語なのではないかと思ってしまう。のび太を守る『ドラえもん』であり『ホビット』であり、実は彼こそがヒロインの守護天使なのだ。
そして、十数年前に見たこの監督のアニメ作品を思い出した。台所に訪れ少女を救う異界からやってきた不細工なカエル、そんな物語だったように思う。そのモチーフは今も変わらず続いており、だからこそ、この一見、よくあるように見られがちな物語には、非日常の輝きや神話的な世界へ繋がっていく瞬間がちりばめられていて、僕らを魅了してくれる。
そしてラストシーンに至っては、そうなることは分かっていながらも泣かせてしまうという日本古来から続く説話物語のような展開の強さがある。
そこには、そんじょそこらには負けない強さがある。

松永玲子 (女優)

主人公・三語郎さんの顔面の水分に、
嫌悪や共感や応援や感動。

近藤公園 (俳優)

駄目だねぇ、、全く駄目だ、清々しいほど駄目だね、三語郎。
そう言いながら、間違いなく身につまされている自分がいるのでした。

神尾佑 (俳優)

人間とはかくも弱く、
だらしなく、
だからこそ生きるんだよ。
なぁ、三語郎!

松本素生 (GOING UNDER GROUND)

他人事じゃないと思わせた映画NO.1(泣)

河野丈洋 (作曲家)

この映画はダメ人間を断罪しない。
人が持っている「立ち上がる力」を
ただ見つめようとする。
そのひたむきな眼差しに、心うたれる。

ガクエムシー (ラッパー)

失くすことでしか気づけない大切なこととか、
決めなくてはいけない覚悟を避けて逃げることとか。
この作品を観て、僕は胸が痛くなって、背筋が伸びた。
大切なもののために、
覚悟を決めて、そして精一杯行くんだ。
そうしよう、うん。

miyake (mihimaru GT)

とても感動しました。
泣ける音楽があれば、泣ける落語もある。
それは世の中の無情や葛藤を幸せに変換する苦しみを味わって、
初めて人に伝えられるもの。
日々に愛情を。

山崎ハコ (歌手・俳優)

一度目は何だか腹が立ってしまった。
「甘えてるんじゃないよ!ねぼけ!!」
丁寧に二度目を観て、
「もう甘えるんじゃないよ、ねぼけ…」
と、母親みたいに変わっていた。
私達は誰かが生んでくれたから、親がいるから存在しているのであって、大人になっても年寄りになっても皆、誰かの子供なのだ。それなのに「なぜ女ばかりが親になる!?」男はなかなか女の父親にはなってくれない。最初の腹立ちは多分ここだと気付いた。
映画は、一人一人が ちゃんと演っているので、心意気に頭が下がります。父親不在では決してない事にも気付きます。
「ねぼけていたい」「ねぼけてはいけない」遠いようで紙一重、いえ、一瞬の「替り目」なのだと学んだ気がします。

石崎ひゅーい (シンガーソングライター)

人間ってなんでこんなに糞なんだろう。
理由がぜんぜんわからないけど全部わかる。

北村早樹子 (歌手)

彼女を裏切り師匠を裏切り、そしてそれらを芸の肥やしにもできない男の屑のような三語郎は、本当はどの女も落語もなんにも愛していないんだろう。
故郷を家族を日本を伝統を愛し、そしてそれらを処女作に閉じ込めて世界に放とうと野心を燃やす壱岐監督は、一度しか話したことないけど、初対面のわたしなんかにも親への感謝の意を漏らしてしまうぐらいとてもまっすぐで明るく朗らかで気配り上手な人当たりの良い人だった。
だけど映画を見て、ああ本当はなにも愛せない虚しさに苦しんでいる人なのかもしれない、なんておもった。

伴ジャクソン (男の墓場プロダクション)

悲しいのに笑ってしまう。落語を聞いて胸を打たれる。
思い通りにならない人の心、過去と現実がこの物語を紡ぐ。
ダメ男が地獄巡りの果てに辿り着いたのは、愛か?虚無か?
その答えは卵入りの味噌汁だけが知っている。

向井透史 (古書現世店主)

人はなぜ寂しさを嫌いながら育て、
幸せを求めながら遠ざけるのか。
本番は一度きり、
その意味の重さが刺さる。

清家正信 (写真家)

この映画はそんな現実から夢の世界、いやむしろあの世の世界へ誘われるように、壱岐さんだけの独特のトーンの世界からシーンは始まる。
僕は三語郎とともに、まさに此岸と彼岸を行き来するように、真海という海に支えられ行く先のあてもなく漂い続ける。三語郎の涙と僕の涙と夢と現実が溶け合わう頃、映画は確かな体験をさせてくれ終わって行く。
外に出ると参道の夕闇の森に真海がやさしく微笑んだ。
壱岐さん、なんという映画を作ってくれたのだろうと、また涙ぐんだ。

完山京洪 (映画監督)

沈んでいく自分を救ってくれるのは、いつも愛だ。

土屋豊 (映画監督、NPO法人独立映画鍋主催)

駄目な三語郎を必死で応援する真海を応援する為にもどうか映画「ねぼけ」を応援してやって下さい。
ねぼけた三語郎に喝を入れて目覚めさせ、幻想の真海としっかりと向き合わせる為に是非ご協力を!

本田誠人 (劇団ペテカン 脚本・演出)

モノクロームの中、
海辺で舞われた神秘的な神楽のシーンに、
新鮮な “宮崎の美しさ” を感じた。
同じ宮崎出身の壱岐監督長編デビュー作。
その才能に多いに嫉妬したことは内緒です。

吉野竜平 (映画監督)

酒、女、金にだらしない売れない落語家、三語郎。
消えない喪失感を背負ったしっかり者の彼女、真海。
このカップルの心のすれ違いというごくプライベートな出発点から落語の世界へ、
さらには幽玄な神話の世界までへと観客は導かれていく。
恐るべき跳躍力!
この現実も神話の世界も、実は地続きで、案外近い距離にあるのかもしれない。

坂本二郎 (ローカルライフマガジン TURNS編集長)

クラウドファンディング、そして新富町の協力を得て完成したとのことですが、地域の魅力を再発見する手段として、映画がもつ可能性を感じさせてくれました。
劇中の、方言丸出しで何を言っているのかわからない(?)真海の叔父さんの存在感がすごかった!
人々の興味が日本国内や地方に向いて来ている今、この映像は派手な洋画作品よりも新鮮に映ります。

土屋良文 (宮崎県新富町町長)

新富町富田浜海岸からスタートし、日本古典の落語、日本伝統文化の新田神楽と自然がコラボし、素晴らしいです。
スクリーンから人の心、想いへの気づきと人生を正面から向き合うことの大切さが伝わってきました。

赤木明登 (塗師)

どのシーンでも、主演・村上真希の眼差しがいい。
彼女が見つめているのは、このどうしようもない人生の闇なのだろう。
だがその瞳に現れる光に、愛おしさや希望を感じることができる。

関口暁子 (文筆家)

しょうもない、されど愛すべき男。寄り添う恋人。
誰もが心に闇を抱えているから、この二人にエールを送りたくなる。
得体のしれない不安や焦燥感に襲われたときこそ見てほしい。
隣にいる「あの人」を、「日々の些細なこと」を、
そっと、愛したくなるはずだから。

逸見輝羊 (北区AKT STAGE 代表)

恥をさらし、己をさらし、全てをさらし、
愛を求め、愛を貫く。
役者、友部康志の懐の深さを見た。

深井順子 (FUKAIPRODUCE羽衣 主宰、女優)

「ねぼけ」は、人間の凄味があった。
そうして優しさがあった。
目覚めた時みたいな澄んだ気持ちになった。


劇場情報

都道府県劇場電話番号上映期間
東京 ケイズシネマ 03-3352-2471 2016年12月17日~2017年1月13日迄公開 10:30~(限定モーニングショー)
大阪 第七藝術劇場 06-6302-2073 2017年新春 ロードショー
京都 京都みなみ会館 075-661-3993 2017年新春 ロードショー
愛知 シネマスコーレ 052-452-6036 2017年1月下旬 ロードショー
宮崎 宮崎キネマ館 0985-28-1162 2017年1月1日~2017年1月6日 お正月ロードショー決定!